DREAM
今回は今更ではあるが、ミュージカルテニスの王子様DREAM LIVE 2018の楽曲、「DREAM」について考察していく。
わくわく感の募る前奏に揺れるカラフルなサイリウム、そして異例の「歌って!」に続く「THIS IS THE PRINCE OF TENNIS」と映し出されたモニター
神戸公演初日、初めてその文字が映し出された時は多くのファンが戸惑いを隠しきれずにコールはまばらで声も小さかった。
しかし、横浜公演大千秋楽。
神戸公演初日からは見違える程にコールは大きく揃って、会場にいる全員が一つになったようだった。
数回に渡る「THIS IS THE PRINCE OF TENNIS」のコールの後、「ありがとう!」と映し出された。
そこから各校のレギュラー陣が次々にステージ上に駆け上がってくる。
ポップアップで上がってくるのでも、せり上がってくるセンターステージでもなく、駆け上がってくる。
正直、ポップアップの方が派手な登場でステージ映えもするだろうし、せり上がってくるステージの方が気持ちが高ぶってくるだろう。
ポップアップの場合ならきっと主人公である越前リョーマがポップアップされるだろうし、せり上がってくるステージの場合なら青学レギュラー陣がステージの上にいるだろう。
しかし、そうじゃない。
駆け上がってくる演出だからこそ、テニミュ15周年に相応しいと感じる。
「THIS IS THE PRINCE OF TENNIS」
そうコールした会場にいる一人一人に思い思いのテニスの王子様が存在しているからだ。
青学レギュラー陣だけがテニスの王子様じゃない。
きっと会場には立海大付属中の幸村や仁王を王子様だと思うファンもいるだろう。
きっと会場には六角中の葵や黒羽を王子様だと思うファンもいるだろう。
きっと会場には比嘉中の木手や知念を王子様だと思うファンもいるだろう。
登場する全てのテニスプレーヤーが「テニスの王子様」なのだ。
そんな「テニスの王子様」が目の前に走って現れる。
駆け上がる演出はそれぞれが思う「テニスの王子様」を漫画の中から飛び出させてきたような演出のように感じるのだ。
コールで想いを馳せた、それぞれの「テニスの王子様」を。
テニミュ15周年、原作テニスの王子様20周年の区切りの年に改めて私達一人一人の「テニスの王子様」を再認識させてくれた。
それが「DREAM」なのだと考える。